2022/02/24 12:22

はじめに

GPS・QZSSロボットカーコンテストは、「測位技術の基礎技術の修得機会の提供」、及び「技術交流」を目的としたコンテストです。
競技内容は、「自身が開発した自律走行ロボットカーを走行させて得られるポイントを競う」というものです。
このコンテストは16年ほど前から開催されていて、毎年、ロボット開発を専門にする学生や社会人のチームが多数参加しています。


上記の写真の入江教授は、このコンテストの実行委員長を務められていて、今回の競技では、弊社の「CuGo」を使用してロボットの開発をされました。

CuGo導入のメリット

コンテスト自体は整地された平地で行うため、不整地向けのパーツである必要は必ずしもありませんが、
クローラの超信地旋回(その場で回転)ができるという点が、GPSデータを活用してロボットを動かす上でのメリットとなります。
具体的には、「スピード向上」と「測位性能の向上」の2点のメリットがあります。
角度を経路設計して旋回するタイヤに比べて、その場で回転できるクローラは、方向転換がしやすく、最小半径で回れるのでスピード向上に重要です。
また、GPSデータでロボットを動かす時に動体の動きが大きくなると、正しい位置が計測しづらくなるのですが、
その場で方向転換ができるクローラは、誤差の見える化に使いやすく測位性能の向上をさせることができるのです。

CuGo導入時に感じた点
これまでのコンテストで製作したロボットカーは、市販のラジコンカーをベースにドローンのフライトコントローラーと
GPS受信機を搭載したものでした。CuGo遠隔操作キットもラジコンでコントロールできる方式なので、以前のロボットカーから
簡単にコンバートできました。
また、フライトコントローラーの設定は、クローラに対応しており相性が良いため、DMC(Dual Motor Controller)も必要ありません。
その他に工夫した点としては、ロボットを機内持ち込みサイズにしたことです。モジュールが分離できるので、ばらして組み立ての移動が楽に行えます。従来のクローラタイプのロボットは、ばらすことが出来ないので、その点では「CuGo」はよくできた設計と言えます。
テスト走行してみて、直進走行の安定性やパワフルさに加えて、荷重を不安なくかけられる点を感じました。
実際のコンテストでも上手く走行してくれました。学生やその他の技術者達も興味津々で見てくれて、新しい技術の紹介としては、
とても良かったと思っています。

CuGoの活用で今後目指したいこと

GPSは、「田んぼ」や「災害地」など目印や道がなく、与えられた情報が緯度経度だけの場所でも活用可能です。
このような人が入りづらい不整地において、ロボットを活用する際は、その足回りに走破性の高いクローラを使うことが必須となってきます。
今、日本版GPSと呼ばれる「準天頂衛星みちびき」が打ち上げられ、海や山など人がいない場所でも、高精度な測位情報取得が可能になってきています。
高精度な測位を活用したクローラタイプのロボットが様々なシーンで活用できれば、危険な作業の代替もどんどん進んでいくと思いますので、「CuGo」がそうした様々な要望に応えられるようになってもらいたいです。

CuboRex社のクローラに対する要望としては、以下の条件があります。
・防水性・防塵性の向上
・メンテナンス(掃除のしやすさ)
・急角度にも対応可能

直近では、竹林や杉の植林地などの伐採した後の不整地において、伐採した後の不整地に入って草刈ができるロボットを作ってほしいという要望があります。
しかし、斜面は45度近くなるところもあるので、「CuGo」がこの急角度に対応できるようアップデートすることを期待しています。

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