2022/02/24 12:22


はじめに

東京のロボットベンチャーで移動ロボットの開発研究を行う橋本さん(25歳)。大学院在学中のみかん農家の収穫を手伝った経験から、収穫サポートロボットを開発し、週末には開発とテストを進められています。
橋本さんは、大学院在学中にみかんの収穫をお手伝いする機会があり、1週間くらい毎日てぼ(収穫したみかんを入れる籠)を肩にぶら下げながら、みかんを収穫していました。しかし橋本さんは、もともとヘルニア持ちでこの作業が非常に辛く大変な思いをされたそうです。


イメージ写真

農家さんによると、農作業により腰がボロボロになる方は多く、腰痛をお持ちの方にとってはみかん収穫は大変な作業とのことです。
ひどい方だとヘルニアになり、収穫作業自体が出来なくなった方もいらっしゃるとのことでした。



ヘルニアの心配を抱えながらだと生活がしづらくなりますし、農家さんにとっては作業自体が出来ないとなると農業を続けるかどうかにもかかわってきます。橋本さんは、こういう思いをしている農家さんが全国にたくさんいることを知り、ロボット開発の分野で何か役立てないかと考え、みかんの収穫や運搬の作業を人の代わりにする収穫サポートロボットを作ることを決意されました。

今回のロボット開発の一番の目標
ロボットを開発しはじめるにあたっては、腰痛に繋がる作業を軽減することを一番の目標にしました。
具体的には、収穫したみかんを運ぶ作業が一番の腰の負担になるそうです。そこで今回、運ぶ作業を全て任せられるロボットの開発が行われることとなったのです。また、このロボットには追従機能がついているので、作業者はみかんをもぐ作業に集中することが出来、その分、作業時間の短縮につながるというメリットもあります。

橋本さんは最初、研究開発用の移動ロボットで、ルンバのような丸形の車輪型のタイプを使っていたそうです。しかし、みかんの収穫サポートをする場合、傾斜地で、かつ不整地でも走行可能なクローラが必要だと考えるようになったそうです。CuGoはそれにぴったりの製品でした。


初期開発時の収穫サポートロボット

橋本さんがCuGo導入時に感じた点
カスタマイズのしやすさと開発期間の短縮を一番に実感されたそうです。
CuGoは作りがとてもシンプルで中身がいじりやすいため、やりたいことを実現するにはうってつけでした。1からクローラを作るのは大変ですし、既製品をバラシて改造する手間もかかりません。

組み立てるだけで簡単に移動ロボットができて、追従機能など、やりたいことをどんどん追加していけるような感覚があったそうで、
その「スピード感」にとても満足いただけました。

また、開発の際はFacebookのユーザーコミュニティ「CuGo 公開グループ」が大変役に立ったそうです。
CuGoユーザーの方が質問や解答を投稿しあっているグループで、生の意見や実例を参考にしながら作れたため、イメージが湧きやすかったからです。
実際に「バッテリーはどれを使ったらいいか」「どういった所で走行できるのか」「コントローラーはどう作ればいいか」などの質問に対しても、すぐに回答がありました。
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CuGo導入後の効果
収穫サポートロボットが、常に人を追従できるよう、カメラを搭載し、撮影した映像から常に赤色のものに追従する設計になりました。
今回は赤色のビブスを来た人を追従しています。


また、落花生畑やひまわり畑などいろいろな作物の農地での実験も行いました。


期待通りの安定した走りでとても良かったです。
一方で、以下に挙げる課題も浮かび上がってきました。
課題①赤色の物体が障害物や太陽の光の影響で見えなくなり、ロボットが追従をやめてしまう
課題②作業中に人が動いていると、赤が認識できず暴走する場合があった

上で挙げた課題への対策は以下を考えています。
課題①への対策
:過去の時系列データから、確率推定を行うことで赤色の検出精度を向上させる

課題②への対策
:赤色検出だけで追従するのではなく、人検出を行い追従するシステムを作る




草むらや段差も走破。その他農業ロボットへの応用も検討中

CuGoの活用で今後目指したいこと
今後は、収穫サポートロボットの追従精度を上げていくとともに、みかん以外の農作業の器具を持ち運べるロボットの開発もしてみたいと考えています。また、秋冬のみかんの収穫も始まるので、傾斜地でも問題がないか等のテストを行う予定です。

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